2011/9/19

総合 –EUウオッチャー

欧州委員長がユーロ共同債構想支持、近く選択肢提示へ

この記事の要約

欧州委員会のバローゾ委員長は14日、財政危機国がドイツなどの信用力を利用して資金を調達できるようにする「ユーロ共同債」発行構想の実現を目指す意向を表明した。近く複数の選択肢を提示するとしている。\ EUはギリシャの財政危 […]

欧州委員会のバローゾ委員長は14日、財政危機国がドイツなどの信用力を利用して資金を調達できるようにする「ユーロ共同債」発行構想の実現を目指す意向を表明した。近く複数の選択肢を提示するとしている。

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EUはギリシャの財政危機に端を発したユーロ圏の信用不安を解消するため、財政危機に陥ったユーロ参加国への緊急金融支援や、欧州中央銀行(ECB)による量的緩和、国債買い取りなどを実施しているが、状況は悪化している。このため次の一手として、ユーロ圏全体で債券を発行することで、単独の国債発行による資金調達が困難となった国を支援する構想が浮上していた。

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バローゾ委員長は欧州議会の本会議で、ユーロ圏は「最大の危機に直面している」と述べ、ユーロ共同債構想実現への意欲を表明。同構想が信用不安解決の即効薬にはならないとしながらも、状況改善に必要として、実現に向けた選択肢を提示することを明言した。

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EUでは財政危機に陥った国への支援に厳しい制約があり、同構想実現にはEU基本条約の改正が必要となる見通し。バローゾ委員長も「いくつかの選択肢では、条約改正が求められる」としている。

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ユーロ共同債をめぐっては、財政悪化国やルクセンブルク、ベルギーなどが支持する一方、大きな役割を果たすことになるドイツが難色を示しており、実現への道のりは険しそうだ。

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