2011/10/10

環境・通信・その他

10年の温室効果ガス排出量2.4%増

この記事の要約

欧州環境庁(EEA)が7日公表した暫定報告書によると、2010年のEU27カ国における温室効果ガス排出量は前年比2.4%増となり、1990年以降で最も大幅な伸びを記録した。これは深刻な経済危機を受け、域内全体で生産活動が […]

欧州環境庁(EEA)が7日公表した暫定報告書によると、2010年のEU27カ国における温室効果ガス排出量は前年比2.4%増となり、1990年以降で最も大幅な伸びを記録した。これは深刻な経済危機を受け、域内全体で生産活動が停滞した結果、09年に排出量が前年比7%減と落ち込んだ反動によるもの。基準年の90年との比較では15.5%減少した。

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一方、京都議定書で温室効果ガスの削減が義務付けられている従来からのEU加盟15カ国では、10年の総排出量が90年比で10.7%減となった。15カ国は08-12年に90年比で8%の削減を求められているが、EEAは15カ国全体として削減目標の達成はほぼ確実との見方を示している。ただし、15カ国のうちオーストリア、イタリア、ルクセンブルクの3カ国については現在のままでは目標達成が困難と警告。京都メカニズムの積極的な活用などを通じて排出削減の取り組みを一段と強化する必要があると指摘している。

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EEAはそのうえで、EU全体で温室効果ガス排出量を20年までに90年比で20%削減するという中期目標を達成し、低炭素社会への本格的な転換を図るため、加盟国は今後導入される措置を着実に実施する必要があると強調。「温室効果ガスの排出削減プロセスでさまざまな政策が重要な役割を演じてきた。再生可能エネルギーの普及促進やエネルギー効率の改善に加え、農業分野の水質汚染を減らす取り組みが温室効果ガスの排出削減につながることが確認されている。こうしたケースは気候変動に影響を及ぼすあらゆる政策をより体系的に考えることで、さらなる排出削減が可能であることを示している」と指摘している。

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