2011/10/24

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏がギリシャへの追加融資承認、追加緊縮策の可決で

この記事の要約

深刻な財政危機に陥っているギリシャの議会は20日夜、EUなどからの追加金融支援を取り付けるために必要な財政緊縮案を可決した。これを受けてユーロ圏17カ国は21日に開いた臨時財務相会合で、80億ユーロの融資実施を承認。ギリ […]

深刻な財政危機に陥っているギリシャの議会は20日夜、EUなどからの追加金融支援を取り付けるために必要な財政緊縮案を可決した。これを受けてユーロ圏17カ国は21日に開いた臨時財務相会合で、80億ユーロの融資実施を承認。ギリシャは当面、デフォルト(債務不履行)の危機を回避できることになった。

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ギリシャは昨年5月、EUと国際通貨基金(IMF)から3年間で総額1,100億ユーロの緊急協調融資を取り付け、これまでに5回にわたって融資を受けた。今回の融資は第6弾。IMF 理事会の承認を経て、11月中旬までに実施される。

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可決された緊縮策は、公務員の3万人削減や年金支給額の削減などが柱。国債のデフォルトの危機に直面するギリシャは、EUとIMFから緊急融資を受けるため、これまでにも再三にわたって財政赤字削減策を導入してきたが、約束した財政再建が停滞しているため、第6弾融資の実行に当たって追加緊縮策を求められていた。

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ギリシャでは同日、緊縮策に反発する労組のゼネストが行われ、アテネ中心部で数万人規模のデモが展開されたが、議会は採決を強行。賛成155、反対144で法案を可決した。

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アテネではデモ隊と警官隊が激しく衝突したほか、平和的なデモを求める労組、一般市民と過激な行動をとる無政府主義者のグループとの衝突も発生。53歳の男性が死亡したほか、70人以上が負傷して病院に搬送された。

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