2011/10/24

競争法

ノバルティスとJ&Jへの調査開始、後発薬参入阻止の疑いで

この記事の要約

欧州委員会は21日、スイス製薬大手ノバルティスと米同業ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がオランダの鎮痛薬市場で後発医薬品(ジェネリック薬)の参入を不当に阻害している疑いがあるとして、競争法上の調査を開始 […]

欧州委員会は21日、スイス製薬大手ノバルティスと米同業ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がオランダの鎮痛薬市場で後発医薬品(ジェネリック薬)の参入を不当に阻害している疑いがあるとして、競争法上の調査を開始したことを明らかにした。

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欧州委が問題視しているのは、フェンタニルを有効成分とする鎮痛薬。フェンタニルは麻薬成分で、これを使った鎮痛剤はがんなどに伴う強烈な慢性痛を和らげるために使われている。

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欧州委によると、ノバルティスとJ&Jはオランダ市場で共謀し、フェンタニルを使ったジェネリック薬の新規参入を妨げている疑いがあるという。

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欧州委は2009年、大手製薬会社が特許の囲い込みなどさまざまな方法でジェネリック薬の投入を遅らせているとする報告書を発表。特許を持つ製薬会社がジェネリック薬メーカーに「和解金」を支払って後発薬の発売を遅らせるシステムなどを問題視し、是正に乗り出している。今回のケースも、こうした流れに沿ったものだ。これまでに英アストラゼネカ、米セファロン、デンマークのルンドベックなどが調査対象となっている。

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