2011/10/31

産業・貿易

オイルサンド禁止めぐり加盟国対立、採決を延期

この記事の要約

欧州委員会が提案したオイルサンド(油砂)からの石油採取禁止をめぐり、EU加盟国の意見が分かれている。加盟国は25日に開いた環境専門家の会合で、同措置の可否を決める予定だったが、消息筋がロイター通信に明らかにしたところによ […]

欧州委員会が提案したオイルサンド(油砂)からの石油採取禁止をめぐり、EU加盟国の意見が分かれている。加盟国は25日に開いた環境専門家の会合で、同措置の可否を決める予定だったが、消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると英国など一部の加盟国が難色を示し、調整が難航。採決を見送った。

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欧州委は10月4日、オイルサンドの石油精製では通常の油田での採掘と比べて多くの温室効果ガスは生じるとして、輸送燃料の二酸化炭素(CO2)排出を厳しく制限するルールの一環としてオイルサンド禁止を提案。オイルサンドはEU内にほとんどないことから、オイルサンドを原料とした石油製品の輸入を禁止する形での規制に乗り出す方針を打ち出した。

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これに対して、世界最大のオイルサンド生産国であるカナダは、CO2排出が多いという科学的根拠はないとして猛反発し、EUに再考を働きかけている。ロイター通信によると、25日の会合では、国内の石油会社がオイルサンド事業を展開している英国、フランス、オランダなどがカナダを支持。これを受けて妥協案を探る動きが出たことから採決を延期した。EUは調整を進めた上で、12月に採決する見通しという。

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