2011/10/31

競争法

欧州裁、化学2社への制裁命令取り消し

この記事の要約

欧州司法裁判所は25日、EUがベルギー化学大手ソルベイにソーダ灰のカルテルで科した制裁を取り消す判決を下した。また、欧州裁の第一審裁判所である一般裁判所は同日、スペインの化学会社ウラリタに対する制裁命令を無効とする判決を […]

欧州司法裁判所は25日、EUがベルギー化学大手ソルベイにソーダ灰のカルテルで科した制裁を取り消す判決を下した。また、欧州裁の第一審裁判所である一般裁判所は同日、スペインの化学会社ウラリタに対する制裁命令を無効とする判決を言い渡した。

\

欧州委員会は2000年、ソルベイがソーダ灰販売でカルテルを結んでいたとして、2,300万ユーロの制裁金支払いを命令。これを同社は不服として提訴したが、一般裁判所は09年、訴えを退けていた。

\

ソルベイは上訴審で、欧州委がカルテルの証拠とした文書を紛失したため、一審で無罪を立証する機会が失われたと主張。これを欧州裁は受け入れ、文書が残っていればカルテル認定が間違いだったことが確認される可能性があったとして、制裁を無効とした。

\

一方、ウラリタは08年、工業用漂白剤などに使われる塩素酸ソーダの販売でカルテルを結んでいたとして、欧州委から990万ユーロの制裁金支払いを命じられた。カルテルを否定する同社は、欧州委は子会社のアラゴネサスのカルテル参加を確認しただけで、ウラリタの関与を立証できていないとして提訴していた。一般裁判所は、欧州委が提示した証拠は断片的で、同社のカルテル関与を完全に立証していないとして、制裁を取り消す判決を下した。

\