2011/11/21

環境・通信・その他

空港の全身スキャナー設置、EUが共通指針策定

この記事の要約

欧州委員会は14日、航空テロ対策として検討しているEU域内の空港への全身スキャナー設置に関する共通指針を発表した。加盟国は設置を義務付けられず、設置する国は同指針に従って慎重に全身スキャナーを運用することを求められる。\ […]

欧州委員会は14日、航空テロ対策として検討しているEU域内の空港への全身スキャナー設置に関する共通指針を発表した。加盟国は設置を義務付けられず、設置する国は同指針に従って慎重に全身スキャナーを運用することを求められる。

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米政府は2009年12月の米機爆破テロ未遂事件を受けて、主要空港に全身を透視するスキャナーを設置。EUも設置を検討してきたが、プライバシー保護などの観点から慎重な国もあり、加盟国の対応にばらつきがある。欧州議会は7月、共通ルールを設けた上で、加盟国にスキャナー導入を認める決議を採択。これに基づいて欧州委がルール作りを進めていた。

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共通指針では、健康被害を阻止するため、X線を使ったスキャナーの使用が禁止される。さらに、旅客には検査前に全身スキャナーの利用を通告しなければならず、旅客は拒否する権利を認められる。拒否した人は、係官の手によるチェックなど他の方法での検査を要求できる。

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また、スキャナーの画像チェックと検査をする場所を切り離し、係官が画像と本人を識別できないようにすることや、画像の保存、コピーを禁止することも盛り込まれた。

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EUではテロ未遂事件の舞台となった英国、オランダの空港で全身スキャナーが設置済み。フランス、イタリア、フィンランドなどでも試験的に導入されている。ドイツは試験運用の結果、8月に設置しないことを決めている。

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