2011/11/28

環境・通信・その他

EUがフカヒレ漁を全面禁止へ、サメ保護強化で提案

この記事の要約

欧州委員会は21日、高級食材のフカヒレを目的としたサメ漁を全面禁止する新たな規制案を発表した。乱獲でサメの個体数が急速に減少しており、一部の種が資源枯渇の危機にあるため。これまでは条件付きで「フィンニング」と呼ばれるフカ […]

欧州委員会は21日、高級食材のフカヒレを目的としたサメ漁を全面禁止する新たな規制案を発表した。乱獲でサメの個体数が急速に減少しており、一部の種が資源枯渇の危機にあるため。これまでは条件付きで「フィンニング」と呼ばれるフカヒレ漁が認められてきたが、EU域内で操業するすべての漁船と域外で操業するEU籍の漁船を対象に規制を強化する。欧州議会とEU加盟国の承認を経て新ルールを導入する。

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EUではスペイン、ポルトガル、フランス、英国を中心に年間10万トン前後が水揚されており、特にスペインは域内における水揚量の50%以上を占める。サメは寿命が長いうえに繁殖率が低いため乱獲で打撃を受けやすく、国際自然保護連合(IUCN)の調査によると、EU域内に生息する80種のサメのうち約3分の1が全滅の危機にあるとされる。

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EUでは2003年以降、捕獲したサメのヒレだけを切り取って本体は海に投棄するフィンニングを禁止しているが、魚体重量の5%以内であればヒレと本体を別々の港で水揚げすることが認められており、こうした例外規定のためフカヒレを目的とする乱獲に歯止めがかかっていないのが実情。欧州委はサメの資源保護を図るにはこうした規制の抜け穴をなくす必要があるとの認識に立ち、例外なくフカヒレ漁を禁止する新ルールを打ち出した。

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新規制の導入により、EU域内で操業する外国籍を含むすべての漁船と域外で操業するEU籍の漁船は、ヒレがついた状態で本体を水揚げすることが義務付けられる。ただし、船上での保存および取り扱いを容易にするため、ヒレの一部に切り込みを入れ、本体でヒレを包み込む形で保持することは認められる。

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