2012/1/9

欧州ビジネスウオッチ

伊最大手銀の増資、大幅割引迫られる

この記事の要約

伊最大手銀行のウニクレディトは4日、大規模な株主割当増資の詳細を発表した。1株当たりの発行価格は1.943ユーロで、前日終値を43%下回る水準。ユーロ圏の信用不安で銀行の経営環境が悪化する中、大幅な割引価格での増資を迫ら […]

伊最大手銀行のウニクレディトは4日、大規模な株主割当増資の詳細を発表した。1株当たりの発行価格は1.943ユーロで、前日終値を43%下回る水準。ユーロ圏の信用不安で銀行の経営環境が悪化する中、大幅な割引価格での増資を迫られた。

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ウニクレディトは財務が悪化し、EUの欧州銀行監督局(EBA)から6月末までに80億ユーロの資本増強を求められている。このため、9日に75億ユーロの株主割当増資を実施する。

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同行は業績悪化で株価が低迷していることから、大幅に割引しないと株主が増資を引き受けないと判断し、発行価格を同水準に設定した。それでも、4日時点で引き受けの目途が立っているのは増資予定額の24%にとどまっているという。

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ユーロ圏の銀行は、ギリシャ、スペイン、イタリアを中心に、1,147億ユーロの増資が必要となっており、ウニクレディトの増資が順調に進むかどうかが大きな試金石とされている。割引幅が予想を大きく超えたことで、増資を計画している他の銀行にも不安が広がっているもようだ。

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今回の決定はウニクレディトの苦境を浮き彫りにした格好となり、同行の株価は5日、17%安の4.48ユーロまで下落し、1992年9月以来の低水準に落ち込んだ。

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