2012/1/23

総合 –EUウオッチャー

IMFが融資能力5千億ドル増強へ、ユーロ圏信用不安対策で

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)は18日、ユーロ圏の信用不安に対応するため、融資能力を最大5,000億米ドル増強することを目指す意向を表明した。すでにEUが総額1,500億ユーロ(約1,920億ドル)を拠出することを決めており、残 […]

国際通貨基金(IMF)は18日、ユーロ圏の信用不安に対応するため、融資能力を最大5,000億米ドル増強することを目指す意向を表明した。すでにEUが総額1,500億ユーロ(約1,920億ドル)を拠出することを決めており、残りを他の加盟国による追加拠出で確保する方針だ。

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IMFはギリシャに端を発したユーロ圏の債務危機に際して、これまでにギリシャ、アイルランド、ポルトガルに支援を行った。現在の融資枠は約3,850億ドル。内部調査の結果、向こう数年間で1兆ドルの支援枠が必要になると判断したことから、資金増強を探る。

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EUは12月の首脳会議で、ユーロ圏の財政悪化国に対するIMFの支援能力を高めるため、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルと2011年にユーロに参加したばかりのエストニアを除くユーロ圏13カ国の中央銀行が1,500億ユーロを追加拠出することで合意。非ユーロ圏でもスウェーデン、デンマーク、ポーランド、チェコの4カ国が追加拠出を検討している。

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IMFの融資枠増強は、2月にメキシコで開かれる20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議で協議される見込み。最大の拠出国である米国は、同国の拠出拡大に難色を示しており、IMFは主に中国、ブラジル、インドなどG20の新興国による追加拠出で目標を達成する方向で調整を進めるとみられる。

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