2012/1/23

産業・貿易

イラン原油禁輸、7月実施で最終調整

この記事の要約

EUは、イランからの原油の輸入を7月1日から全面禁止する方向で調整に入った。ロイター通信が17日、EU外交筋の話として伝えた。23日のEU外相会合で決定する。\ EU加盟国は核開発を続けるイランに対する追加制裁措置として […]

EUは、イランからの原油の輸入を7月1日から全面禁止する方向で調整に入った。ロイター通信が17日、EU外交筋の話として伝えた。23日のEU外相会合で決定する。

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EU加盟国は核開発を続けるイランに対する追加制裁措置として、同国産原油の輸入を禁止することで昨年末までに大筋合意。禁輸の実施時期については、イランとの原油売買契約が残存している国があるため、一定の猶予期間を設けることで一致している。ただ、禁輸措置の速やかな実施を求めるフランスが猶予期間を3カ月と主張するのに対し、イラン産原油の輸入量が多いギリシャは1年を求めるなど協議は難航。議長国のデンマークが15日、妥協案として猶予期間を6月末までとし、7月1日から全面禁輸を実施することを提案した。

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石油業界に詳しい専門家は、原油売買契約の8割は長期契約となっているため、既存契約について猶予期間が認められたことは、禁輸措置のインパクト低下につながる可能性があると指摘する。なお、ギリシャやスペイン、イタリアなどイラン産原油への依存度が高い国は、禁輸措置の実施を控えて原油の代替供給先の確保が急務となるが、中東最大の原油輸出国であるサウジアラビアは、イラン産原油の禁輸によって不足する原油を供給する用意があると示唆している。

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