2012/1/30

産業・貿易

「バイアグアラ」商標登録にノー=EU第一審裁判所

この記事の要約

米製薬大手ファイザーのED(勃起不全)治療薬「バイアグラ」に酷似した名称の栄養ドリンクの商標登録を、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)が却下したのは不当だとしてポーランドの飲料メーカーが訴えていた問題で、欧州司法裁判所の第 […]

米製薬大手ファイザーのED(勃起不全)治療薬「バイアグラ」に酷似した名称の栄養ドリンクの商標登録を、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)が却下したのは不当だとしてポーランドの飲料メーカーが訴えていた問題で、欧州司法裁判所の第一審裁判所(ルクセンブルク)は25日、OHIMの決定は正当だとし、飲料メーカーの主張を退ける判決を下した。

\

ポーランドの飲料メーカー、バイアグアラ(Viaguara)は2005年10月、栄養ドリンク「バイアグアラ」の共同体商標(CTM)をOHIMに出願した。しかし、すでにバイアグラをCTM登録していたファイザーが異議を申し立て、OHIMはファイザーの異議を認めてバイアグアラの出願を却下。これを不服とするバイアグアラが第一審裁判所にOHIMの決定を無効とするよう訴えていた。

\

第一審裁判所は判決で、バイアグラの名称はED患者だけでなく一般消費者にも広く浸透していると指摘。消費者は通常、商品名の最初の部分に注目する傾向があるため、バイアグアラとバイアグラが混同される可能性が高いとの見解を示した。また、バイアグアラは栄養ドリンク、バイアグラは医薬品であり製品として両者の間に直接関連はないものの、名称からの連想でバイアグアラにもバイアグラのような効能が期待できると消費者が誤解する恐れがあると指摘し、バイアグアラが「(バイアグラの)商標の識別性または評判を不正に利用しあるいは害するリスクがある」として出願を却下したOHIMの決定を支持した。

\