2012/2/6

総合 –EUウオッチャー

フィンランド新大統領にニーニスト氏、親EU路線継続へ

この記事の要約

フィンランドで5日に実施された大統領選の決戦投票で、保守派の与党・国民連合のサウリ・ニーニスト元財務相(63)が当選した。親EU派である同氏の大統領就任により、同国のEU統合推進路線を継続する体制が一段と強化されたことに […]

フィンランドで5日に実施された大統領選の決戦投票で、保守派の与党・国民連合のサウリ・ニーニスト元財務相(63)が当選した。親EU派である同氏の大統領就任により、同国のEU統合推進路線を継続する体制が一段と強化されたことになる。

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北欧で唯一、ユーロに参加するフィンランドでは、ギリシャに端を発したユーロ圏の債務危機をきっかけに、ユーロ離脱論が強まり、昨年の総選挙では反EU・ユーロを掲げた右派政党「真のフィンランド人」が第3党に躍進した

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現職ハロネン大統領の任期満了に伴う今回の大統領選でも、真のフィンランド人のソイニ党首と、中央党から同じく反ユーロを掲げる候補が出馬。1月22日に行われた第1回投票では、EU政策が最大の焦点となった。

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しかし、同投票では反EU派の2候補が脱落。ニーニスト氏と、同じく親EU派である緑の党のハービスト候補が決選投票に勝ち残った。決選投票ではニーニスト氏が62.6%の得票率で、同37.4%のハービスト候補を大差で下した。フィンランド国民は、大統領候補として初めて同性愛者であることを公表したハービスト候補より、財務相時代に同国をユーロ参加に導いた実績のあるベテラン政治家の安定性を選んだ格好だ。

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国民連合からの大統領演出は1956年以来。中道左派・社会民主党以外からの大統領就任は30年ぶりとなる。

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フィンランドでは大統領に大きな権限はなく、象徴的存在という面が大きいが、同じく国民連合出身のカタイネン首相もEU統合の推進を支持しており、親EU路線の継続を内外にアピールした形となった。

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