仏通信最大手のフランステレコムは3日、携帯電話サービス部門オレンジのオーストリア子会社「オレンジ・オーストリア」を香港のコングロマリット、ハチソン・ワンポアに売却することで合意したと発表した。売却額は13億ユーロ。
\フランステレコムは、オレンジ・オーストリアに35%を出資している。ハチソン・ワンポアは、投資会社のミッド・ヨーロッパ・パートナーズが保有する残り株と合わせた全株式を取得する。買収額には、約10億ユーロに上る債務の引き受けが含まれる。今年半ばの買収手続き完了を目指す。
\フランステレコムは、大きな成長が見込めない携帯電話サービス市場からの撤退を進めており、今回の売却は同戦略の一環。昨年12月には、スイス子会社を英投資会社エイパックス・パートナーズに16億ユーロで売却することで合意していた。
\香港の有力実業家である李嘉誠氏が率いるハチソン・ワンポアは、すでにオーストリアで「3」のブランド名で、携帯電話サービス事業を展開している。オレンジ・オーストリアの買収により、同国でのシェアは22%に拡大し、同41%のA1(テレコムオーストリア傘下)、31%のTモバイル・オーストリア(ドイツテレコム傘下)に次ぐ3位に浮上する。
\ハチソンは同買収がEUの競争法に抵しょくするのを回避するため、オレンジ・オーストリアが保有する基地局、周波数帯などの一部資産や、低価格の携帯電話サービス部門「Yesss!」など3億9,000万ユーロ相当の資産をA1に譲渡する。
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