2012/2/6

欧州ビジネスウオッチ

ハンガリー国営航空が運航停止、資金繰り悪化で

この記事の要約

ハンガリー国営航空会社のマレブ・ハンガリー航空は3日、全便の運航を停止したと発表した。政府による支援がEUに禁じられ、資金繰りが悪化したためで、同国を代表するフラッグ・キャリアが存亡の危機を迎えている。\ 赤字経営が続く […]

ハンガリー国営航空会社のマレブ・ハンガリー航空は3日、全便の運航を停止したと発表した。政府による支援がEUに禁じられ、資金繰りが悪化したためで、同国を代表するフラッグ・キャリアが存亡の危機を迎えている。

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赤字経営が続くマレブは、政府の補助金に支えられ、かろうじて破たんを逃れてきた。ところが、EUの欧州委員会が1月9日、補助金支給がEU競争法に反する不当な支援に当たるとして、同社が2007年から2010年にかけて受け取った総額380億フォリント(約130億円)に上る補助金の返納を命令。これを受けて経営不安が一気に広がり、提携する航空会社や乗り入れている空港から代金の前払いを求められたが、運転資金が底をついて応じることができず、運航停止に追い込まれた。

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マレブに95%を出資するハンガリー政府は、60億フォリントの債務を抱える同社の倒産を回避するため、会社更生手続き適用によって資産を保全しながら、経営再建の道を探る方針で、2日に管財人が任命された。オルバン首相は3日に国営ラジオで、新たな出資者を募って新会社を設立し、マレブの業務を引き継がせることも視野に入れていることを明らかにした。

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一方、マレブと提携している日本航空は3日、今回の事態を受けて、ブタペスト~フランクフルト路線の共同運航便(JL7850/MA522 、JL7851/MA523)の運航を停止すると発表した。

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