欧州中央銀行(ECB)は9日の定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1%に据え置くことを決めた。一方、ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、ECBが保有するギリシャ国債から得た利益を同国に還元する形で、ギリシャの債務圧縮に協力する用意があることを示唆した。
\ECBは11、12月に各0.25ポイントの利下げを実施したばかりで、今回の金利据え置きは予想通り。総裁の記者会見では、ギリシャの債務危機問題に質問が集中した。
\政府債務を2020年までに国内総生産(GDP)比120%まで削減することを求められているギリシャ政府は、ECBに協力を求めているが、ECBがユーロ参加国に直接的な金融支援を行うことはEUの基本条約で禁止されている。このため浮上しているのが、保有する国債の利益を還元するという案だ。
\これについてドラギ総裁は「(国債の)利益を一部のユーロ参加国に分配したとしても、マネタリー・ファイナンシング(資金供与)には当たらない」として、条約で禁止されている直接金融支援とはみなされないとの見解を表明。これを利用したギリシャ支援実施の可能性を示唆した。
\英フィナンシャル・タイムズによると、ECBが保有するギリシャ国債は400億ユーロ相当。満期まで保有した場合の償還額は推定550億ユーロで、150億ユーロの利益が出ることになる。
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