2012/3/5

総合 –EUウオッチャー

セルビアを加盟候補国に認定、首脳会議で承認

この記事の要約

EUは1日の首脳会議で、セルビアを加盟候補国として正式認定することを決定した。コソボとの関係改善が進んだことを評価したもの。これによってセルビアは悲願のEU加盟に向けて一歩前進した。\ セルビアは2008年にEU加盟の前 […]

EUは1日の首脳会議で、セルビアを加盟候補国として正式認定することを決定した。コソボとの関係改善が進んだことを評価したもの。これによってセルビアは悲願のEU加盟に向けて一歩前進した。

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セルビアは2008年にEU加盟の前段階である「安定化・連合協定(SAA)」を締結。2009年12月に加盟を正式申請した。次のハードルとなる加盟候補国認定では、ボスニア内戦時の戦犯の身柄拘束、2008年にセルビアからの独立を一方的に宣言したコソボとの関係改善が大きな課題となっていた。

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戦犯問題は、ボスニア内戦時の戦犯で最後まで逃亡を続けていたゴラン・ハジッチ被告を2011年に逮捕し、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)に引き渡したことで解決。残るコソボ問題についても、先ごろコソボが国際会合に「コソボ」という名称で代表団を派遣し、独自に協定などに署名することなどに同意し、関係正常化が進んでいた。

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これを受けてEU27カ国は28日の外相理事会で、同国の加盟候補国認定を勧告。これを首脳会議が承認した。

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セルビアにとって次の課題となるのが加盟交渉開始。順調に行けば、1年以内に交渉開始が承認され、最後の関門となる加盟交渉に入る見通しだ。EUはセルビアが加盟前にコソボを国家承認することを求めており、今後も同問題がEU加盟の大きな障害となる。

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