2012/3/26

環境・通信・その他

EUがサメ保護規制を強化、フカヒレ目的の漁禁止

この記事の要約

EUは19日、フカヒレを目的としたサメ漁の全面禁止を目指す規制案を承認した。欧州委員会が昨年11月にまとめた現行規則の改正案で、欧州議会の承認を得れば近く導入されることになる。新規則では、捕獲されたサメは本体からヒレを切 […]

EUは19日、フカヒレを目的としたサメ漁の全面禁止を目指す規制案を承認した。欧州委員会が昨年11月にまとめた現行規則の改正案で、欧州議会の承認を得れば近く導入されることになる。新規則では、捕獲されたサメは本体からヒレを切り離すなどの加工を、一切しない状態で水揚げすることが義務付けられる。

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EUでは2003年以降、域内船籍の漁船ならびにEU領海で漁をする漁船を対象に、捕獲したサメのヒレだけを切り取って本体を海に投棄する「フィニング」を禁止してきた。しかし、ヒレが魚体重量の5%以内の場合、許可を得た漁船には船上でヒレと本体を切り離して別々に水揚げすることが認められている。このため、規則が実際に守られているか否かの判断が不可能であり、保護に必要となるサメの生態に関する正確な統計を取ることもできないとして、規則の有効性が疑問視されていた。

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複数の海洋保護団体によると、全世界で年間に捕獲されるサメは約7,300万匹に上り、一部の種類のサメは絶滅の危機に瀕している。フカヒレスープの材料としてサメの需要がアジアを中心に急増する一方、サメの繁殖率が低いことが主な原因だ。サメの保護は世界的にも強化が訴えられており、米国ではすでに、カリフォルニア、ハワイ、オレゴンなどの州でフカヒレの売買および所持を禁じる州法が成立している。

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