2012/4/23

環境・通信・その他

オイルサンド“有害”認定の可否決定、来年に延期

この記事の要約

欧州委員会は20日、オイルサンド(油砂)から抽出した石油を有害と認定するルールの導入の是非に関する決定を来年まで先送りすることを明らかにした。加盟国の採決を6月に行う予定だったが、産業界に及ぼす影響を検証するため延期する […]

欧州委員会は20日、オイルサンド(油砂)から抽出した石油を有害と認定するルールの導入の是非に関する決定を来年まで先送りすることを明らかにした。加盟国の採決を6月に行う予定だったが、産業界に及ぼす影響を検証するため延期する。

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同ルールは、輸送用燃料の生産で生じる二酸化炭素の排出量を2020年までに2010年比で6%削減することを定めた「燃料クオリティ指令」の改正に伴い、導入が検討されている。燃料の種類別に環境有害度をランク付けするというもので、オイルサンドからの石油抽出では通常より多くの二酸化炭素が生じることから、有害と認定されることになる。

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ルールが導入された場合もオイルサンドの輸入は禁止されない。しかし、世界有数のオイルサンド資源国であるカナダは、事実上の輸入制限になるとして猛反発。EU内でも石油メジャーを抱える英国、オランダなどが難色を示しており、2月に行われた専門委員会での採決では票が分かれ、決定が持ち越された経緯がある。

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EUは当初、6月に開く環境相理事会で再採決を行い、同ルール導入の可否を最終判断する予定だった。しかし、ヘデゴー欧州委員(気候変動担当)の報道官は声明で、域内経済や消費者に及ぼす影響を調査し、判断材料とする必要があるとして、採決を来年初めまで延期する方針を示した。

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