2012/4/23

総合 –EUウオッチャー

仏大統領選の第1回投票で野党候補が首位、サルコジ大統領と決戦投票へ

この記事の要約

フランスで22日実施された大統領選の第1回投票で、最大野党・社会党のフランソワ・オランド前第1書記が首位となり、2位の右派・国民運動連合のサルコジ大統領とともに決選投票に進むことが決まった。フランスの現職大統領が再選を目 […]

フランスで22日実施された大統領選の第1回投票で、最大野党・社会党のフランソワ・オランド前第1書記が首位となり、2位の右派・国民運動連合のサルコジ大統領とともに決選投票に進むことが決まった。フランスの現職大統領が再選を目指す第1回投票で首位を確保できなかったのは1958年以来。サルコジ陣営は5月6日の決選投票でも苦戦が必至の情勢だ。

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第1回投票は10人の候補で争われた。仏内務省によると、開票率99%時点の主要候補の得票率は、オランド候補が28.6%、サルコジ候補が27.1%。いずれも過半数に達しなかったため、一騎打ちによる決選投票が行われる。

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欧州ではギリシャに端を発した信用不安による経済の混乱を受け、イタリア、スペインなどで政権交代が相次いでいる。サルコジ大統領は、信用不安問題の対策をEUがまとめるに当たって大きな存在感を示したものの、国内の財政再建に向けた緊縮策で景気が悪化し、失業率上昇を招いた。これを批判し、雇用重視を掲げるオランド候補が票を集め、予想通り首位に立った。また、EU、ユーロ圏からの離脱、移民排斥など過激で内向きの政策を打ち出す極右・国民戦線のルペン党首も18%と、同党候補で過去最高の得票を確保した。

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決選投票では、オランド陣営が極左・左派戦線のメランション候補に流れた11%の票を取りこむなどして左派票を固めることを目指す。一方のサルコジ陣営は、極右の票をどれだけ確保できるかが巻き返しの大きなカギを握る。

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仏世論調査会社Ifopが第1回投票後に実施した調査では、決選投票での支持率はオランド候補が54%と、サルコジ候補の46%を上回っている。国民戦線支持者では、48%がサルコジ候補に投票すると回答したが、オランド候補支持も31%に達しており、サルコジ陣営は同派の支持を固め切れていない。ルペン党首は5月1日に両候補のどちらを支持するか表明する予定で、その結果が投票の行方を大きく左右しそうだ。

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