2012/5/7

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、5カ月連続で

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は3日にバルセロナで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を過去最低水準である現行の年1%に据え置くことを決めた。金利据え置きは5カ月連続。\ ECBは信用不安で揺れる金 […]

欧州中央銀行(ECB)は3日にバルセロナで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を過去最低水準である現行の年1%に据え置くことを決めた。金利据え置きは5カ月連続。

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ECBは信用不安で揺れる金融市場を支えるため、昨年11、12月に各0.25ポイントの利下げを実施。さらに、12月と2月末に計1兆ユーロの長期資金を供給した。それでも、信用不安は依然としてくすぶっており、ユーロ圏経済も冷え込んでいる。しかし、ユーロ圏では原油価格の高騰を背景にインフレ率が高止まりしていることから、さらなる金融緩和は難しい状況にある。ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、今後の金利政策の方向性についてヒントを示さなかった。

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市場では、ECBがインフレ懸念を重視して当面は様子見を続けるとの見方と、6月にまとめる景気、インフレ予測の結果によって、追加利下げを検討するとの観測が交錯している。

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一方、ドラギ総裁は、非常時の金融政策を元に戻す“出口戦略”の検討は「時期尚早」と述べた一方、各国の緊縮策による財政再建と経済成長との両立は可能として、量的緩和の拡大に否定的な見解を示した。

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