欧州委員会は8日、オランダ金融・保険大手INGグループに対する公的支援をめぐる訴訟で、EUの敗訴を言い渡した欧州司法裁判所・一般裁判所の判断を不服とし、上訴する意向を表明した。
\問題となっているのは、リーマンショックに伴う金融危機で経営が悪化したINGに、オランダ政府が2008年に実施した100億ユーロの資本注入。欧州委はINGが金融部門と保険部門を完全分離することや、銀行子会社ウェストランドユトレヒトの売却などを条件に公的支援を承認した。
\資本注入時の契約によると、INGは返済時に50%を上乗せすることで合意していたが、政府はINGが09年末までの返済を約束した50億ユーロ分について金利を年15-22%に引き下げたため、最終的にINGからの返済額はおよそ20億ユーロ圧縮された。これについて欧州委は同措置が追加的な支援に当たるとして、INGにより厳しい再編を要求。対するING側は、金利引き下げは追加支援ではないとして提訴し、3月に勝訴していた。
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