2012/5/28

総合 –EUウオッチャー

スペイン政府、大手銀バンキアに190億ユーロ追加支援

この記事の要約

経営難で一部国有化されたスペイン大手銀行のバンキアは25日、政府に190億ユーロの追加金融支援を要請したと発表した。政府は国内金融市場に対する不安が拡大するのを防ぐため、要請を受け入れる見込み。これにより同行への公的支援 […]

経営難で一部国有化されたスペイン大手銀行のバンキアは25日、政府に190億ユーロの追加金融支援を要請したと発表した。政府は国内金融市場に対する不安が拡大するのを防ぐため、要請を受け入れる見込み。これにより同行への公的支援は総額235億ユーロに膨らみ、スペイン金融市場で過去最大規模の救済となる。

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バンキアは預金額ベースで国内4位の銀行。不動産バブル崩壊で大きな打撃を受けた貯蓄銀行7行が2010年に合併して誕生した。スペイン政府は10日、不良債権処理が進まず深刻な経営危機に陥っている同行に注入していた44億6,500万ユーロの公的資金を証券化する形で株式の45%を握り、一部国有化したばかり。その際、同行にバランスシートを改めて精査させた上で、必要な資金を追加で注入する意向を示していた。

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追加支援は、バンキア親会社による190億ユーロの増資を政府が引き受ける形で実施される。これによりバンキアに対する政府の出資比率は約90%に達し、事実上国有化されることになる。

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バンキアの不動産絡みの不良債権は2011年末時点で318億ユーロに上る。同日発表した2011年12月通期の最終損益は29億7,900万ユーロの赤字。ローン資産の評価損が膨らみ、当初の黒字(3億900万ユーロ)から大幅に下方修正した。同日には米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同行の長期信用格付けを「トリプルBマイナス」から1段階引き下げ、投資不適格級の「ダブルBプラス」にしたと発表した。

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