2012/6/11

総合 –EUウオッチャー

ポルトガルが3銀行に66億ユーロ注入、EUの資本増強策達成へ

この記事の要約

ポルトガル財務省は4日、国内大手3銀行に総額66億5,000万ユーロの資本注入を行うと発表した。EUが域内銀行に命じた資本増強を達成させるためで、政府がEUと国際通貨基金(IMF)から受けた金融支援を活用する。\ 資本注 […]

ポルトガル財務省は4日、国内大手3銀行に総額66億5,000万ユーロの資本注入を行うと発表した。EUが域内銀行に命じた資本増強を達成させるためで、政府がEUと国際通貨基金(IMF)から受けた金融支援を活用する。

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資本注入を受けるのは最大手ポルトガル商業銀行(BCP)、バンコBPI、政府系カイシャ・ゲラル・デ・デポジトゥシュ(Caixa Geral de Depositos:CGD)。注入額はBCPが35億ユーロ、バンコBPIが15億ユーロ、CGDが16億5,000万ユーロとなる。

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EUの欧州銀行監督局(EBA)は域内銀行に対して、経営安定化のため、普通株と内部留保で構成する「狭義の中核的自己資本比率(Tier 1)」を6月末までに9%に引き上げることを求めている。ポルトガル政府は3銀行が独力での資本増強が難しいことから、公的資金を注入する。

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ポルトガルは昨年4月、ギリシャ危機が飛び火して信用不安が深刻化したことから、EUとIMFから総額780億ユーロの融資を取り付けた。今回の資本注入には、同融資で銀行支援向けに割り当てられた120億ユーロのうち約50億ユーロを回す。

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一方、EUとIMF、欧州中央銀行(ECB)は同日、対ポルトガル支援の第4弾として、41億ユーロの融資を実行する意向を表明した。金融支援の条件となる財政健全化の進捗状況に関する最新調査で、同国が財政再建計画を順調に進めていると認定したため。EU財務相理事会とIMF理事会による承認を経て実施する。

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