2012/6/11

総合 –EUウオッチャー

キプロス、改革実行で救済回避可能=欧州委

この記事の要約

キプロスがギリシャに多額の債権を持つ国内銀行の救済のためEUの支援を要請する可能性が浮上している問題で、欧州委員会は4日、キプロスが改革路線を維持することによってEUによる救済を回避できるとの見解を示した。\ ギリシャに […]

キプロスがギリシャに多額の債権を持つ国内銀行の救済のためEUの支援を要請する可能性が浮上している問題で、欧州委員会は4日、キプロスが改革路線を維持することによってEUによる救済を回避できるとの見解を示した。

\

ギリシャに大量の資金を貸し付けているキプロスの銀行は、ギリシャの財政破たんにより財務状況が大幅に悪化。政府は銀行の経営破たんを回避するための資金支援を行う必要があるが、資金が確保できずにいる。キプロス中央銀行のデメトリアデス総裁は4日付英紙『フィナンシャル・タイムズ』に掲載されたインタビューで、国内2位のマルフィン・ポピュラー銀行の資本増強のため少なくとも18億ユーロが必要だとして、EUなどに支援を求める可能性を示唆した。

\

欧州委のベイリー報道官は、「他のユーロ加盟国と同様、キプロスとも緊密なコンタクトをとっている」としたうえで、「我々が提案した改革を実行すれば、キプロスは現在直面している困難を克服できると確信している」と語り、EUの救済なしに自力での対応が可能であるとの認識を示した。

\

欧州委は先ごろ発表した報告書のなかで、キプロスが「多次元的な困難」に直面していると指摘。一方で、これまで提案してきた改革が「ごく一部」しか実行されていないとして、財政再建、銀行の資本増強に加えて労働・サービス市場、教育制度、年金・医療制度、エネルギーセクターの改革を進めるよう求めた。

\