2012/6/11

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、総裁は追加利下げに含み

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は6日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を過去最低水準である現行の年1%に据え置くことを決めた。金利据え置きは6カ月連続。市場ではユーロ圏の信用不安再燃を受けて、E […]

欧州中央銀行(ECB)は6日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を過去最低水準である現行の年1%に据え置くことを決めた。金利据え置きは6カ月連続。市場ではユーロ圏の信用不安再燃を受けて、ECBが利下げに踏み切るとの見方が出ていたが、今回の実施は見送られた。ただ、ドラギ総裁は来月以降の利下げに含みを残した。

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ECBは昨年11月と12月に各0.25ポイントの利下げを実施し、政策金利は過去最低水準となっているが、その後は長期資金を大量供給したこともあり、様子見を続けている。市場では、ユーロ圏でギリシャの財政再建が不透明になり、スペインの銀行の苦境が深刻化している中、インフレ率が低下傾向にあることから、ECBによる追加金融緩和への期待が高まっていた。

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今回の利下げは見送られたが、ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、理事会メンバーの一部が利下げを支持したことを明らかにした。さらに総裁は「ユーロ圏経済は下振れリスクが強まっている」とした上で、「あらゆる動きを注意深く見守り、行動する用意がある」と述べ、追加利下げの可能性を示唆。また、6月末が期限となっていた3カ月物資金の無制限供給を年末まで継続することも明らかにした。

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