2012/6/25

総合 –EUウオッチャー

ギリシャ3党が連立合意、緊縮派の新政権発足

この記事の要約

ギリシャで21日、議会選の再選挙で第1党となった新民主主義党のサマラス党首を首班とする3党連立の新政権が発足した。これによってギリシャは2カ月近くにわたった政治空白に終止符を打ち、財政緊縮路線を継続する体制が整った。\ […]

ギリシャで21日、議会選の再選挙で第1党となった新民主主義党のサマラス党首を首班とする3党連立の新政権が発足した。これによってギリシャは2カ月近くにわたった政治空白に終止符を打ち、財政緊縮路線を継続する体制が整った。

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新民主主義党は20日、第3党の全ギリシャ社会主義運動党(PASOK)、第6党・民主左派との連立政権樹立で合意した。新民主主義党とPASOKは、財政再建に向けた緊縮策を推進してきた旧与党。穏健な反緊縮派である民主左派を加えた連立3党は定数300の議会で過半数を超える179議席を確保している。

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ギリシャの旧政権は、EUと国際通貨基金(IMF)による金融支援の条件として、2014年までに国内総生産(GDP)の5%に相当する115億ユーロの赤字を削減することを約束。その実現に向け、厳しい緊縮策を進めてきた。新民主主義党は選挙戦で、反緊縮派の票を取り込むため、緊縮策を緩和する方針を打ち出していた。新政権はEUと約束した緊縮策を大枠で実施するものの、赤字削減期限の2年延長などを求める見通しで、これに関するEUとの交渉が当面の最大の課題となる。財政再建推進の軸となる財務相には、最大手銀行ギリシャ・ナショナル銀行のラパノス会長が起用された。

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連立3党は21日、「ギリシャのユーロ残留を確保しながら、(EUなどとの)融資合意を見直すことが目標だ」とする共同声明を発表。一方、サマラス新首相は同日、閣僚の給与を30%削減することを打ち出し、財政緊縮路線継続に対する国民の理解を求めた。

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