2012/6/25

総合 –EUウオッチャー

G20首脳会議が閉幕、欧州危機対応に「あらゆる措置講じる」

この記事の要約

先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会議は19日、首脳宣言を採択して閉幕した。最大の焦点だった欧州債務危機をめぐってはユーロ圏が「あらゆる必要な政策措置を講じる」との文言を盛り込み、危機脱却に向けた欧州の自 […]

先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会議は19日、首脳宣言を採択して閉幕した。最大の焦点だった欧州債務危機をめぐってはユーロ圏が「あらゆる必要な政策措置を講じる」との文言を盛り込み、危機脱却に向けた欧州の自助努力を打ち出す内容となった。今後は欧州が金融統合の深化に向けた具体策を提示できるかが焦点となる。

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会議では債務危機の影響が世界経済に波及するなか、欧州が危機収束に向けた対策を打ち出すよう求める声が相次いだ。これに対し欧州首脳は、銀行の監督や預金保険制度を域内で一本化する「銀行同盟」に向けた工程表を具体的に検討すると表明した。米国のオバマ大統領は会議閉幕後の記者会見で、欧州の首相は危機の拡大を食い止めるためにどういった措置を取るべきか十分に承知していると指摘したうえで、「いずれの措置も数週間や数カ月で問題を完全に解決する特効薬ではないが、これらの措置は、欧州が分裂ではなく一段の統合に向かって進んでいることを示すものだ」と語り、今後の取り組みに期待感を表明した。また、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、「ロスカボスで欧州全体の回復プランの種がまかれた」と、欧州首脳が示した方針を歓迎する見解を示した。

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EUでは28~29日に開かれる首脳会議で、銀行同盟創設に向けた協議が行われる予定。ただ、銀行同盟をめぐってはドイツが「財政統合を優先すべき」として早期の創設に慎重な姿勢を見せているほか、欧州の金融の中心地シティを抱える英国が金融の自立性が失われるとして参加しない方針を示すなど各国の足並みが揃っておらず、実現には曲折も予想される。

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