2012/7/9

総合 –EUウオッチャー

5月のユーロ圏失業率11.1%、また過去最悪更新

この記事の要約

ユーロ圏の雇用悪化に歯止めがかからない。EU統計局ユーロスタットが2日発表したユーロ圏の5月の失業率(速報値・季節調整済み)は11.1%となり、前月の11%から0.1ポイント上昇。前月に続いてユーロ導入後の最高記録を更新 […]

ユーロ圏の雇用悪化に歯止めがかからない。EU統計局ユーロスタットが2日発表したユーロ圏の5月の失業率(速報値・季節調整済み)は11.1%となり、前月の11%から0.1ポイント上昇。前月に続いてユーロ導入後の最高記録を更新した(表参照)。

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EU27カ国ベースの失業率は前月を0.1ポイント上回る10.3%。データが出そろっている23カ国ではスペインが前月から0.3ポイント上昇して24.6%となったほか、フランス、イタリア、ベルギー、アイルランド、キプロス、リトアニア、ハンガリー、ポルトガル、スロバキアで10%台に達した。ギリシャは3月時点で21.9%。

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ユーロ圏経済は今年1-3月期、ぎりぎりでマイナス成長を免れたが、ドイツの成長に負うところが大きく、スペイン、イタリア、オランダなど6カ国が景気後退入り(2期連続のマイナス成長)している。4-6月期はマイナス成長となることが確実な情勢だ。

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EUは6月末の首脳会議で、1,200億ユーロ規模の成長・雇用戦略を採択し、信用不安解消に向けた財政緊縮一辺倒から舵を切ったが、ユーロ圏の失業率は米国の8.2%、日本の4.4%を大きく上回る水準。今後も悪化が予想され、難しい対応を迫られることになる。

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