2012/7/9

総合 –EUウオッチャー

仏政府、12年度補正予算を閣議決定

この記事の要約

フランス政府は4日、2012年の補正予算案を閣議決定した。景気減速による税収減が見込まれるなか、大企業や富裕層を対象とする72億ユーロの増税を盛り込み、財政赤字削減目標の達成を目指す。\ 富裕層に対する増税は、課税資産評 […]

フランス政府は4日、2012年の補正予算案を閣議決定した。景気減速による税収減が見込まれるなか、大企業や富裕層を対象とする72億ユーロの増税を盛り込み、財政赤字削減目標の達成を目指す。

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富裕層に対する増税は、課税資産評価額が130万ユーロを超える世帯を対象とした今年度だけの措置で、23億ユーロの税収を見込む。また、金融機関と石油会社にも、今年度に限りそれぞれ5億5,000万ユーロの特別課税を導入するほか、企業から徴収する給与税の一時的免税の撤回により8億9,800万ユーロを確保する。これらの措置により、2011年に国内総生産(GDP)比5.2%だった財政赤字を今年末までに4.5%に圧縮する。一方、サルコジ前政権が決めていた付加価値税(消費税に相当)の引き上げは撤回した。モスコビシ経済・財政相は記者会見で、「我々は財政と経済の両面で極めて厳しい状況に直面している」と指摘。「富裕層と大企業には貢献をお願いしたい。2012年と13年にはとりわけ大きな努力が必要となる」と述べた。

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フランス会計検査院は2日、財政赤字目標を達成するためには歳出の削減や歳入の増加によって12年に60億~100億ユーロ、13年に330億ユーロが必要となるとの見解を示した。オランド政権は17年までに財政収支を均衡させることを公約に掲げているが、公約実現に向け、より抜本的な構造改革に踏み込めるかが今後の課題となる。

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