2012/7/9

産業・貿易

ソフトの中古ライセンス販売は合法=欧州裁

この記事の要約

ソフトウエアライセンスの再販をめぐり米オラクルがドイツの企業を訴えていた問題で、欧州司法裁判所(ECJ)は3日、ソフトウエアメーカーは中古ライセンスの再販を禁じることはできないとの判断を下した。\ ドイツのミュンヘンに本 […]

ソフトウエアライセンスの再販をめぐり米オラクルがドイツの企業を訴えていた問題で、欧州司法裁判所(ECJ)は3日、ソフトウエアメーカーは中古ライセンスの再販を禁じることはできないとの判断を下した。

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ドイツのミュンヘンに本社を置くUsedSoftは、ソフトウエアベンダーの顧客から取得したライセンスの中古販売を手がけている。UsedSoftの顧客は、中古ライセンスを使ってオラクルなどソフトウエアベンダーのサイトから直接ライセンスを取得できるほか、すでにライセンスを持っている場合は、ユーザーを追加するためのライセンスを取得することもできる。オラクルは、ライセンスの中古販売で利益を得ているのは違法だとしてUsedSoftに販売を中止するよう求め訴えを起こしていた。

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ECJは、ソフトウエアベンダーがソフトウエアを独占的に顧客に配布する権利は、顧客がそのライセンスを購入した時点で消滅すると指摘。このルールはDVDやCD-ROMのような物理的メディアだけでなく、ダウンロードしたソフトウエアに対しても適用されるとし、「ソフトウエアの作者はインターネットからダウンロードしたプログラムの利用を許可する『中古』ライセンスの再販を禁じることはできない」としてオラクルの訴えを退けた。ECJは一方で、オリジナルのソフトウエアの所有者がライセンスを譲渡した場合、自分のコンピューター上にあるすべてのコピーを消去することが義務付けられており、譲渡後もコピーを保持することは許されないとした。ECJの判断に法的拘束力はなく、最終的な判決はドイツの裁判所が下すが、法曹関係者の間ではドイツの裁判所はECJの判断に従うとの見方が有力だ。

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ホーガン ロヴェルズ法律事務所のパートナー、コナー・ウォード弁護士は、ECJがソフトウエアラインセンスの中古販売を認める判断をECJが示したことで、今後中古ライセンスのマーケットが急成長する可能性があると指摘。「多くの企業は人員削減の影響などで余剰ライセンスを抱えており、ライセンス販売で収入を得られるのは魅力的だ」と述べている。

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