2012/7/16

産業・貿易

域内27銀行が944億ユーロの資本増強、期限内に目標達成

この記事の要約

欧州銀行監督局(EBA)は11日、資本不足が指摘されたEU内の銀行による資本増強の進捗状況に関する暫定報告書を発表し、対象27銀行が期限の6月末までに総額944億ユーロの資本増強を実施し、目標を達成したことを明らかにした […]

欧州銀行監督局(EBA)は11日、資本不足が指摘されたEU内の銀行による資本増強の進捗状況に関する暫定報告書を発表し、対象27銀行が期限の6月末までに総額944億ユーロの資本増強を実施し、目標を達成したことを明らかにした。

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EUは昨年10月末の首脳会議で、普通株と内部留保で構成する「狭義の中核的自己資本比率(Tier 1)」を6月までに9%に引き上げることを銀行に求める資本増強策を決定。EBAは12月に発表した査定結果で、対象71行のうち31行が、自己資本比率の目標達成に必要な資本が不足していることを明らかにし、総額1,147億ユーロの増資を指示した。同31行のうち、スペインの大手銀行バンキアなど4行は、その後に公的支援などによって必要な資本増強を実施したことから除外され、27行が760億ユーロの増強を求められていた。

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27行が実施した増資額は、必要額を上回る規模。EBAによると、76%に相当する720億ユーロについては、融資の抑制などではなく、新株発行、利益の内部留保など妥当な手法によるものだった。

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EBAは個別の増資状況など詳細を示した最終報告書を9月に公表する予定だ。

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