ドイツ憲法裁判所は16日、債務危機に直面するユーロ参加国に対するEUの新たな緊急金融支援の枠組みとなる「欧州安定メカニズム(ESM)」の合憲性をめぐる訴訟について、9月12日に判決を下す予定であることを明らかにした。これによって、ESMは予定していた7月中の始動が不可能となった。
\総額5,000億ユーロのESMの発足には、EU全加盟国による承認が必要。ドイツの承認がずれ込むことで、EUの債務危機に対する金融安全網は当面、「欧州金融安定基金(EFSF)」のみの片翼飛行となる。EFSF の残る融資能力は2,400億ユーロ程度で、EUの危機対応能力は大きく制限される。
\当初は7月1日に始動する予定だったESMは、現行の危機国支援の枠組みであるEFSFを引き継ぐ恒常的な支援基金。始動から1年間は両基金が並存する。
\ドイツでは議会が賛成多数でESM発足を批准したが、野党・左派党が違憲として憲法裁に提訴。ガウク大統領は合憲判決がでるまで関連法案への署名を見送る意向を示している。
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