2012/7/30

産業・貿易

有機ワインの認証ルール発効、ラベル表示で競争力強化

この記事の要約

EUは8月1日から、有機農法で栽培されたブドウを原料とし、EUが定める醸造方法に沿って域内で生産された有機ワインに「オーガニックワイン」のラベル表示を認める新ルールを導入する。EUでは7月1日付で、域内で生産されたすべて […]

EUは8月1日から、有機農法で栽培されたブドウを原料とし、EUが定める醸造方法に沿って域内で生産された有機ワインに「オーガニックワイン」のラベル表示を認める新ルールを導入する。EUでは7月1日付で、域内で生産されたすべての包装済み有機食品に「有機ロゴ(ユーロリーフ)」の表示を義務化するルールが導入されており、有機ワインのラベルにはEUの有機ロゴと認証機関のコードを記載する必要がある。

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EUは2004年の「有機農法に関する行動計画」で有機栽培に関する域内共通の認証基準を定めており、これまでも「有機農法で栽培されたブドウでつくられたワイン(wine made from organic grapes)」であることを示すラベル表示は認められていた。しかし、醸造プロセスについては何をもってオーガニックとするかについての基準がなく、このため「オーガニックワイン」は存在しなかった。今年2月に開かれた欧州委員会の有機農法に関する常任委員会(SCOF)でようやく有機ワインの認証基準が統一され、2012年の収穫分から適用されることが決まった。

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世界的に有機農産物への関心が高まるなか、米国、オーストラリア、チリ、南アフリカなど「ニューワールド」と呼ばれるワイン生産新興国はすでに有機ワインについて厳格な基準を定め、海外市場への売り込みを図っている。欧州委は域内共通の認証基準を設けることで情報の透明性を確保し、EU産ワインの国際競争力を高めることができると説明している。

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新ルールによると、有機ワインと認定されるためには醸造過程でソルビン酸やイオウ化合物を除去する物質の使用は認められない。また、亜硫酸塩の使用上限も従来の基準より1リットルにつき30-50mg引き下げられ、赤ワインでは100mg(従来は150mg)、白とロゼについては150mg(従来は200mg)に制限される。

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