2012/8/6

産業・貿易

仏が韓国車輸入急増に悲鳴、EUにセーフガード要請

この記事の要約

フランスのモントブール産業再生相は3日、同国政府がEUの欧州委員会に対して、韓国車へのセーフガード(緊急輸入制限措置)発動に向けた手続きを開始するよう正式要請したことを明らかにした。EUと韓国の自由貿易協定(FTA)発効 […]

フランスのモントブール産業再生相は3日、同国政府がEUの欧州委員会に対して、韓国車へのセーフガード(緊急輸入制限措置)発動に向けた手続きを開始するよう正式要請したことを明らかにした。EUと韓国の自由貿易協定(FTA)発効により、韓国車の輸入が急増して国内メーカーを圧迫していることを受けたもの。

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昨年7月に発効した韓国とEUの自由貿易協定(FTA)では、特定品目での輸入が急増した場合は、関税引き下げの停止か、関税を以前の水準に引き上げるセーフガードを発動することを認める条項がある。モントブール産業再生相によると、政府は同措置発動の第1段階となる輸入監視を欧州委に要請した。これによって韓国車の輸入が過剰に増えていると認定されれば、セーフガードを発動することになる。

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EUでは新車販売の低迷が続く中、韓国車の輸入はFTA効果で急増している。欧州自動車工業会(ACEA)の統計によると、今年上半期の販売は現代自動車が前年同期比11.6%増、起亜自動車が24.7%増となった。

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モントブール産業再生相によると、フランスへの韓国車輸入が小型ディーゼル車を中心に急増しており、今年1、2月は50%も拡大した。一方、国内メーカーは深刻な不振に陥っており、最大手PSAプジョーシトロエンは中間決算で8億1,900万ユーロの赤字を計上し、従業員8,000人の削減を含む合理化を発表したばかりだ。

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