2012/8/27

産業・貿易

太陽電池めぐる貿易摩擦が激化、中国企業も反ダンピング調査申請

この記事の要約

中国の多結晶シリコンメーカー4社は17日、EUのメーカーが不当に安い価格で製品を中国に輸出しているとして、中国商務省に調査を申請した。新華社通信の報道で分かった。EUの太陽電池メーカーは7月末、中国製太陽電池の反ダンピン […]

中国の多結晶シリコンメーカー4社は17日、EUのメーカーが不当に安い価格で製品を中国に輸出しているとして、中国商務省に調査を申請した。新華社通信の報道で分かった。EUの太陽電池メーカーは7月末、中国製太陽電池の反ダンピング(不当廉売)調査を欧州委員会に申請しており、中国4社の今回の措置は報復とみられている。多結晶シリコンは太陽電池の主要原料。

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中国の業界団体によると、EUから中国への多結晶シリコンの輸出高は今年上半期に9,300トンとなり、30.8%増加。トン当たりの価格はこの間、47.5%減の27.5米ドルに低下したという。

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中国がEUから輸入する多結晶シリコンの大半はドイツ製で、主にワッカー・ケミーが生産している。同社はメディアの問い合わせに対しダンピングの事実はないと指摘。商務省が公正な調査をすることに期待を示した。

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ドイツ政府は同通商摩擦を憂慮している。メルケル首相は今月末の訪中に際し、この問題を中国首脳と協議する予定だ。

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中国政府は7月、米国と韓国製の多結晶シリコンを対象にダンピング調査を開始している。

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