2012/8/27

競争法

ハチソンの仏テレコム子会社買収、欧州委が承認へ

この記事の要約

仏通信最大手フランステレコムの携帯電話サービス部門(オレンジ)のオーストリア子会社「オレンジ・オーストリア」買収を進めている香港のコングロマリット、ハチソン・ワンポアは23日、EUの欧州委員会が、同社が提示した競争上の問 […]

仏通信最大手フランステレコムの携帯電話サービス部門(オレンジ)のオーストリア子会社「オレンジ・オーストリア」買収を進めている香港のコングロマリット、ハチソン・ワンポアは23日、EUの欧州委員会が、同社が提示した競争上の問題の改善策を基本的に受け入れたと発表した。

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フランステレコムは、オレンジ・オーストリアに35%を出資している。ハチソン・ワンポアは2月、フランステレコムの保有株と投資会社のミッド・ヨーロッパ・パートナーズが持つ残り株を合わせた全株式を13億ユーロで取得することで合意した。

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ハチソン・ワンポアは、すでにオーストリアで「3」のブランド名で、携帯電話サービス事業を展開している。オレンジ・オーストリアの買収により、同国でのシェアは22%に拡大し、同41%のA1(テレコムオーストリア傘下)、31%のTモバイル・オーストリア(ドイツテレコム傘下)に次ぐ3位に浮上する。

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これについて欧州委は6月、「3」とオレンジ・オーストリアの統合により、オーストリア携帯電話サービス市場は4社から3社体制となり、競争が大きく阻害される恐れがあるとして、買収に難色を示していた。

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ハチソン・ワンポアによると、同社は競争上の問題に対応するため提示したのは、「3」が持つ通信回線網を第3者に開放し、オーストリア携帯電話サービス市場に新たな企業が参入しやすくするという内容。詳細は未公表だが、消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると、米リバティ・グローバルの欧州ケーブルテレビ部門UPCへの回線網開放で覚書を交わしたという。

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欧州委が同案を受け入れたことで、買収計画は近く承認される見通しだ。

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