2012/9/17

総合 –EUウオッチャー

ESMがようやく発足へ、独憲法裁が合憲判断

この記事の要約

ドイツ憲法裁判所は12日、債務危機に直面するユーロ参加国に対するEUの新たな緊急金融支援の枠組みとなる「欧州安定メカニズム(ESM)」を合憲とする判断を下した。これを受けてガウク大統領が13日、ESM関連法案に署名し、ド […]

ドイツ憲法裁判所は12日、債務危機に直面するユーロ参加国に対するEUの新たな緊急金融支援の枠組みとなる「欧州安定メカニズム(ESM)」を合憲とする判断を下した。これを受けてガウク大統領が13日、ESM関連法案に署名し、ドイツによるESM設立の批准が完了。ESMがようやく発足の運びとなった。

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総額5,000億ユーロ規模のESMは、現行の危機国支援の枠組みである「欧州金融安定基金(EFSF)」を引き継ぐ恒常的な支援基金で、EU版の国際通貨基金(IMF)と称される。当初は全EU加盟国による承認を経て、7月1日に発足の予定だった。しかし、ドイツで野党・左派党などが、ESMを通じてドイツの税金を南欧諸国の救済に使うことは違法と主張し、6月に憲法裁判所に提訴したため批准が遅れ、始動がずれ込んでいる。

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ドイツ憲法裁は、ESMへのドイツの拠出が予定の1,900億ユーロを超えないことなどを条件に合憲と認定し、訴えを退けた。

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