2012/9/17

競争法

ハチソンの仏テレコム子会社買収、欧州委が難色

この記事の要約

仏通信最大手フランステレコムがオーストリアで展開する携帯電話サービス部門「オレンジ・オーストリア」の買収を進めている香港のコングロマリット、ハチソン・ワンポアは13日、欧州委員会が現時点で買収計画に難色を示していることを […]

仏通信最大手フランステレコムがオーストリアで展開する携帯電話サービス部門「オレンジ・オーストリア」の買収を進めている香港のコングロマリット、ハチソン・ワンポアは13日、欧州委員会が現時点で買収計画に難色を示していることを明らかにした。ハチソンは競争上の懸念を抱く欧州委に譲歩案を示したが、これでは不十分と判断されたたためで、買収承認に向けて同社は新たな譲歩を迫られることになる。

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フランステレコムはオレンジ・オーストリアに35%を出資している。ハチソンは2月、フランステレコムの保有株と投資会社のミッド・ヨーロッパ・パートナーズが持つ残り株と合わせたオレンジ・オーストリアの全株式を13億ユーロで取得することで合意していた。

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ハチソン・ワンポアは、すでにオーストリアで「3」のブランド名で、携帯電話サービス事業を展開している。オレンジ・オーストリアの買収により、同国でのシェアは22%に拡大し、同41%のA1(テレコムオーストリア傘下)、31%のTモバイル・オーストリア(ドイツテレコム傘下)に次ぐ3位に浮上する。

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欧州委は6月に終了した初期審査で、「3」とオレンジ・オーストリアの統合により、オーストリア携帯電話サービス市場は4社から3社体制となり、競争が大きく阻害される恐れがあるとして承認を見送り、本格調査を開始した。

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これに対してハチソンは競争上の問題に対応するため、「3」が持つ通信回線網を第3者に開放し、オーストリア携帯電話サービス市場に新たな企業が参入しやすくするという内容の是正策を提示。同社は8月、欧州委がこれを評価したとの見方を示していた。

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しかし、ハチソンによると、欧州委はなお不服として新たな是正を求めており、近く異議告知書を同社に送付する見込みという。欧州委は11月30日までに買収の可否を最終判断することになっている。

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