2012/9/17

欧州ビジネスウオッチ

EADSと英BAEが合併交渉

この記事の要約

欧州防衛航空大手EADSと英防衛大手BAEシステムズは12日、合併交渉を行っていることを明らかにした。合併が実現すると、売上高750億ユーロの新企業が誕生。航空宇宙・防衛分野で世界最大の米ボーイング(売上高530億ユーロ […]

欧州防衛航空大手EADSと英防衛大手BAEシステムズは12日、合併交渉を行っていることを明らかにした。合併が実現すると、売上高750億ユーロの新企業が誕生。航空宇宙・防衛分野で世界最大の米ボーイング(売上高530億ユーロ)を抜く見通しだ。

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EADSとBAEを統括する持ち株会社を設立する方向で協議しており、新会社の出資比率はEADSが60%、BAEが40%となる見通し。両社は持ち株会社の設立後も上場を続ける。

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取引の成立には株主と独禁当局のほか、独仏英米政府の承認が必要となる。米国政府はBAE最大の顧客のためその承認が欠かせない。独、仏、英政府は承認する方向とされる。ドイツとフランスは新会社の黄金株を取得し、重要決議の共同決定権を確保するもようだ。

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EADSは売り上げの3分の2を占める航空機事業への依存度を引き下げる方針を打ち出しており、軍需企業BAEとの合併はこれに合致している。EADSの足場が弱い米国の軍需市場でBAEが強い基盤を持っていることもプラス要因だ。

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BAEは主要国の軍需予算削減という問題に直面しており、民間機事業に強いEADSと合併すればこの問題を解消できる。同社はEADSの航空機子会社エアバスに出資していたが、2006年に同株を売却し、防衛事業に経営資源を集中した経緯がある。

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両社が合併合意した場合、競争法上の理由で事業の部分放出を命じられる可能性がある。

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