2012/10/15

総合 –EUウオッチャー

S&Pがスペインを2段階格下げ、あと一歩で投機的水準に

この記事の要約

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は10日、スペイン国債の長期信用格付けを「トリプルBプラス」から2段階引き下げ、投資適格級で最低水準の「トリプルBマイナス」にしたと発表した。景気後退が […]

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は10日、スペイン国債の長期信用格付けを「トリプルBプラス」から2段階引き下げ、投資適格級で最低水準の「トリプルBマイナス」にしたと発表した。景気後退が続いていることなどによる財政再建の難航を見込んだもので、今後の格付け見通しも「ネガティブ」とし、さらなる格下げを示唆している。

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S&Pによるスペインの格下げは、4月の2段階引き下げに続くもの。米ムーディーズも6月に、投機的水準まであと1段階の「BAA3」に引き下げていた。

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S&Pはスペインの国内総生産(GDP)が2012年に1.8%減、13年に1.4%減となり、マイナス成長が続くと予想。財政緊縮策に対する地方政府の反発もあって財政赤字削減が進まない恐れがあるほか、EUによる金融支援も不透明として、追加の格下げに踏み切った。

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7月25日に過去最高の7.75%まで上昇したスペインの10年物国債の利回りは5%台後半まで低下しているが、格付けが投機的水準まであと一歩に迫ったことで再び上昇する懸念が出ている。

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