2012/10/22

総合 –EUウオッチャー

欧州委のダッリ委員が辞任、たばこ政策めぐる汚職疑惑で

この記事の要約

欧州委員会は16日、汚職疑惑が持ち上がっているジョン・ダッリ委員(保健・消費者保護担当)が同日付で辞任したと発表した。欧州委員の汚職絡みでの辞任は1999年以来。\ マルタ出身であるダッリ委員の汚職疑惑は、スナッフと呼ば […]

欧州委員会は16日、汚職疑惑が持ち上がっているジョン・ダッリ委員(保健・消費者保護担当)が同日付で辞任したと発表した。欧州委員の汚職絡みでの辞任は1999年以来。

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マルタ出身であるダッリ委員の汚職疑惑は、スナッフと呼ばれる嗅ぎタバコを製造するスウェーデンのスウェディッシュ・マッチ社による告発で浮上したもの。欧州委によると、同社は3月、ダッリ委員の知人であるマルタ人の実業家から、EUではスウェーデン以外で禁止されている嗅ぎタバコの解禁に向けた法案の提出を同委員に働きかける見返りに金銭を要求されたとして、欧州委に報告した。これを受けて欧州不正対策局(OLAF)が事実関係を調査していた。

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欧州委によると、OLAFが15日に提出した調査報告書は、ダッリ委員が同問題に関与した証拠はないと指摘。委員本人も汚職を否定している。しかし、ダッリ委員は自身と欧州委の「名誉を守るため」辞任を申し出たという。

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マルタ政府はダッリ委員の辞任を受けて、後任の人選に入る。当面はマレシュ・シェフチョビチ副委員長(行政担当)が同ポストを兼任する。

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EUの内閣に当たる欧州委では、サンテール委員長時代の1999年、フランス人の委員の汚職疑惑を受けて、総辞職した例がある。

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