2012/10/22

環境・通信・その他

リトアニア国民投票、原発にノー

この記事の要約

リトアニアで14日、原子力発電所建設計画の是非を問う国民投票が行われ、原発推進に反対する人が過半数を超えた。これにより原発計画は修正される可能性が出てきた。\ 16日朝の選管発表によると、反対票が64.81%と賛成の35 […]

リトアニアで14日、原子力発電所建設計画の是非を問う国民投票が行われ、原発推進に反対する人が過半数を超えた。これにより原発計画は修正される可能性が出てきた。

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16日朝の選管発表によると、反対票が64.81%と賛成の35.19%を大きく上回った。投票率も52%と成立に必要な過半数を達成した。今回の国民投票に法的拘束力はないが、識者は現行の形での実施は難しいとみている。

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原発建設プロジェクトは、日立とゼネラルエレクトリック(GE)の合弁会社であるGE日立ニュークリア・エナジーの受注が事実上決まっていた。しかし、国民が反対の姿勢を明確にしたことに加え、議会選でクビリウス首相退陣が確実となっており、今後の見通しは不透明だ。

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日立製作所は正式受注に向けて、政府や議会、国民との対話を続けていく姿勢を示している。

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日本の原子炉メーカーである日立、三菱重工業、東芝は福島第一原発事故で国内需要が見込めなくなったため、供給先として米国などの原発利用国、エネルギー需要の拡大する新興諸国などに焦点を当てている。日立とリトアニアの契約が成立すれば、福島原発事故後に日本の原子炉メーカーが受注した初めての例となる。日立はこれを足がかりに他国での受注につなげる思惑だったが、今回の結果でその事業戦略に影響が出る可能性が出てきた。

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リトアニアはエストニア、ラトビアとともに、欧州連合(EU)加盟の条件として運転を停止したイグナリナ原発に代わるヴィサギナス原発の建設計画を進めてきた。GE日立ニュークリア・エナジーは、戦略投資家としてプロジェクトに参加する予定で、今年3月には政府と事業権付与付き契約締結で合意している。6月には議会も僅差で締結契約を承認した。しかし、エストニアとラトビアの参加が確実でない中、50億ユーロと推定される巨額投資を支えきれるかという疑問が浮上。議員提案により今回の国民投票実施が決まった。

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