2012/10/29

環境・通信・その他

ネット賭博に関する行動計画を発表、共通規制導入は見送り

この記事の要約

欧州委員会は23日、インターネット賭博の健全な運営に向けた行動計画を発表した。ネット賭博に対する共通規制の導入を当面は見送る方針を示す一方で、消費者保護と不正行為の防止に加盟国が協調して取り組むよう求めている。\ ネット […]

欧州委員会は23日、インターネット賭博の健全な運営に向けた行動計画を発表した。ネット賭博に対する共通規制の導入を当面は見送る方針を示す一方で、消費者保護と不正行為の防止に加盟国が協調して取り組むよう求めている。

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ネット賭博市場はスマートフォンやタブレットなどのモバイル機器の普及に伴い急速に拡大している。欧州委によると、EUのネット賭博の売上高は年間15%の勢いで増加しており、2015年には130億ユーロに達する見込み。ただ、法規制やライセンス申請のルール、支払いへの規制、公共利益の目的、不正への対応などは加盟国によってまちまちで、国境を越えたネット賭博をめぐって、各国政府の対応とEU法との適合性を問題とする訴訟も増えている。このため欧州委は昨年からネット賭博に対する共通規制導入の是非を検討する諮問作業に着手していた。

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行動計画は、規律正しい安全なネット賭博業界の発展に向け、加盟国間でネット賭博の規制に関する情報を交換するための専門家委員会を設立することを提唱。重点的に取り組むべき項目として、若年層を保護するための年齢確認システムやコンテンツフィルタリングシステムの開発促進、ギャンブル依存症対策、ネット賭博を利用したマネーロンダリングの防止、スポーツ賭博における八百長の監視体制強化などを挙げている。

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欧州委は2年後に行動計画の達成度についての評価を実施。そこで十分な効果があがっていないと判断した場合には、共通規制導入を含む「より野心的な手段」(バルニエ委員(域内市場・サービス担当))を提案する方針だ。

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