債務危機で景気が低迷しているユーロ圏で、雇用悪化が止まらない。EU統計局ユーロスタットが10月31日発表した9月の失業率(速報値・季節調整済み)は11.6%で、前月の11.5%(速報値の11.4%から改定)から0.1ポイント悪化し、ユーロ導入後の最高値を更新した。1年前と比べると1.3ポイントの上昇となり、米国(7.8%)、日本(4.2%)との開きが広がりつつある。(表参照)
\EU27カ国ベースの失業率は前月と同水準の10.6%。最高のスペインは25.8%と、前月から0.3ポイント悪化した。ギリシャは7月時点で25.1%。
\同月の失業者はユーロ圏が前月比14万6,000人増の1,849万人、EUが16万9,000人増の2,575万1,000人だった。
\ユーロ圏ではギリシャ、スペイン、イタリア、ポルトガルの4カ国が景気後退(2四半期以上連続のマイナス成長)に直面している。さらに、重債務国を中心とする財政緊縮策の導入が景気を一層圧迫しており、今後も失業率の悪化が避けられない情勢だ。
\