2012/11/19

欧州ビジネスウオッチ

BASFがガスプロムと資産交換、ガス田の採掘権取得へ

この記事の要約

独化学大手のBASFは14日、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムと資産交換することで合意した。エネルギー子会社ヴィンタースハルを通して西シベリアにあるガス田の採掘権を取得。ガスプロムはその見返りとして西欧で天然ガスの販売・ […]

独化学大手のBASFは14日、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムと資産交換することで合意した。エネルギー子会社ヴィンタースハルを通して西シベリアにあるガス田の採掘権を取得。ガスプロムはその見返りとして西欧で天然ガスの販売・貯蔵事業を展開する両社の合弁事業を完全傘下に収める。取引成立には欧州連合(EU)・欧州委員会とロシア当局の承認が必要。

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ヴィンタースハルはヤマル半島のウレンゴイ・アチモス・ガス田第4、第5ブロックの採掘権25%強を取得。将来的に同50%まで引き上げるオプション権も確保する。両ブロックは埋蔵量が計24億石油換算バレル(BOE)で、2016年から採掘が始まる。

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ガスプロムは両社の合弁会社ウインガス、WIEH、WIEE、アストラを完全子会社化する。また、北海南部で石油・天然ガスを採掘するBASFの傘下企業ヴィンタースハル・ノールドゼーの資本50%も取得する。

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BASFは主力の化学事業が景気変動の影響を受けやすいことから、石油・天然ガスの採掘事業を強化しており、最近はノルウェー国営スタットオイルから北海にある石油・ガス田3カ所の採掘権を部分取得することで合意した。

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ガス販売事業は供給過剰や競争激化、欧州市場の低迷を背景に利益率が低下していることからガスプロムに譲渡する。ガスプロムは今回の取引により、西欧販売事業を強化する。

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