2012/12/3

総合 –EUウオッチャー

ムーディーズ、金融安定基金も格下げ

この記事の要約

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは11月30日、EUが債務危機に対応するため設けている「欧州金融安定基金(EFSF)」と「欧州安定メカニズム(ESM)」の格付けを最上級の「Aaa」から1段階引き下げ、 […]

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは11月30日、EUが債務危機に対応するため設けている「欧州金融安定基金(EFSF)」と「欧州安定メカニズム(ESM)」の格付けを最上級の「Aaa」から1段階引き下げ、「Aa1」にすると発表した。ユーロ圏第2の大国で、同基金を大きく支えるフランスの格下げに伴い、信用リスクが悪化したと判断した。

\

EFSFは財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行うため2010年に創設された暫定的な基金。ESMはEFSFの機能を受け継ぐ常設基金で、今年10月に正式発足した。

\

ムーディーズは11月19日、フランス国債の格付けを「Aaa」「Aa1」に引き下げたばかり。これがEFSFとESMの信用リスクに連動するとして、両基金の格下げを決めた。格付け見通しも「ネガティブ」とし、さらなる格下げを示唆した。ESMのクラウス・レグリング最高経営責任者(CEO)は同日、ムーディーズによる格下げを「理解に苦しむ」として批判した。

\

3大格付け会社では、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が今年1月、EFSFを最上級の「トリプルA(AAA)」から1段階引き下げ、「ダブルAプラス(AAプラス)」としていた。

\