2012/12/17

総合 –EUウオッチャー

ギリシャへの融資再開が正式決定、近日中に343億ユーロ

この記事の要約

ユーロ圏財務相会合は13日、深刻な債務危機に陥っているギリシャへの融資再開を正式決定した。来年3月末までに総額491億ユーロの追加融資を行う。うち343億ユーロは近日中に実施する。これによってギリシャは当面の資金繰りが確 […]

ユーロ圏財務相会合は13日、深刻な債務危機に陥っているギリシャへの融資再開を正式決定した。来年3月末までに総額491億ユーロの追加融資を行う。うち343億ユーロは近日中に実施する。これによってギリシャは当面の資金繰りが確保され、デフォルト(債務不履行)の危機をとりあえず脱した。

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ユーロ圏は11月にギリシャへの融資再開で合意していたが、条件となる国債買い戻しの結果を見極める必要があるとして、実施を控えていた。

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ギリシャの公的債務管理庁は12日明らかにしたところによると、国債買い戻しの募集に319億ユーロの応募があった。ギリシャ政府は当初、応募を11日に締め切る予定だったが、同日時点の応募が目標の300億ユーロをわずかに下回る270億ユーロだったことから、期限を11日に延長し、追加募集していた。

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買い戻しの対象は、銀行など民間投資家が保有する20種類のギリシャ国債。公的債務管理庁によると、額面の33.8%という割安価格で買い戻す。これによって約3,400億ユーロに上る公的債務を200億ユーロ圧縮できる。

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ギリシャはEUと国際通貨基金(IMF)から第1次、2次合わせて総額2,400億ユーロに上る金融支援を取り付け、これまでに約1,500億ユーロの融資を受けた。しかし、5月の新政権発足に伴って、支援の見返りとして旧政権が約束した財政再建計画の見直しが浮上したため、6月から融資が凍結。一時はギリシャがユーロ圏離脱を迫られるとの観測も浮上した。

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ギリシャのサマラス首相は融資再開の決定を受けて、「“Grexit(ギリシャのユーロ離脱)”は死語になった」と宣言した。

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