2012/12/17

競争法

ライアンエアー、エア・リンガス買収で追加是正策

この記事の要約

欧州委員会は10日、欧州最大の格安航空会社であるアイルランドのライアンエアーが同国の旧国営航空会社エア・リンガスを買収する計画をめぐり、ライアンエアーが新たな見直し策を提示したことを明らかにした。これを受けて欧州委は買収 […]

欧州委員会は10日、欧州最大の格安航空会社であるアイルランドのライアンエアーが同国の旧国営航空会社エア・リンガスを買収する計画をめぐり、ライアンエアーが新たな見直し策を提示したことを明らかにした。これを受けて欧州委は買収審査の期限を2013年2月27日まで延長し、買収の可否を改めて判断する。

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エア・リンガスの株式29.82%を保有するライアンエアーは7月、残り株を株式公開買い付け(TOB)を通じて取得することを提案した。これについて欧州委は初期審査の結果、ライアンエアーとエア・リンガスはダブリン空港発着便の大部分を運航しており、ダブリンと欧州主要都市を結ぶ便の多くを2社が独占していることから、買収による統合によって健全な競争が著しく損なわれる恐れがあると判断。ライアンエアーはダブリン発着便の一部を手放すことを申し出たが、これでは競争上の是正措置が不十分とされ、欧州委は11月に異議告知書を送付していた。ライアンエアーが提示した追加是正策の内容は不明。

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ライアンエアーはエア・リンガスが民営化された直後の2006年10月に同社の株式29.4%を取得し、買収を正式に提案したが、政府とエア・リンガス経営陣が反発。さらに欧州委が買収を認めなかったため、断念した経緯がある。2008年にも買収を再提案したが、エア・リンガス側の同意を得ることができず、実現に至らなかった。

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