2013/1/7

総合 –EUウオッチャー

伊モンティ首相、続投目指し政党連合結成

この記事の要約

イタリアの選挙管理内閣を率いるモンティ首相が、続投を目指して政党連合を立ち上げた。自身が推進してきた構造改革、財政再建を支持する中道勢力を結集し、2月の総選挙に臨む。\ ベルルスコーニ前首相の失脚により2011年11月に […]

イタリアの選挙管理内閣を率いるモンティ首相が、続投を目指して政党連合を立ち上げた。自身が推進してきた構造改革、財政再建を支持する中道勢力を結集し、2月の総選挙に臨む。

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ベルルスコーニ前首相の失脚により2011年11月に就任したモンティ首相は、債務危機克服に向けて、各界の専門家を集めた実務派内閣を組織し、財政立て直しに取り組んできた。しかし、厳しい緊縮策に反発する前首相率いる中道右派の自由国民党が政権への支持を撤回し、政権運営が困難となったことから、昨年12月21日に内閣が総辞職。2月24、25日に総選挙が実施されることになった。

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辞任直後に自らの身の振り方を明らかにしなかったモンティ首相をめぐっては、経済界を中心に続投を求める声が強まっていた。これを受けて同首相は12月28日、自らの路線を支持する政党連合の立ち上げを表明。4日に政党連合の名称を「イタリアのためモンティと共に」にすると発表した。

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モンティ首相によると、総選挙の上院選には同連合が統一の候補者を擁立して臨む。下院選では、中道政党「キリスト教中道民主連合」、「イタリアのための未来と自由」と連携する。

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これにより総選挙は、モンティ政権による緊縮策の一部見直しを掲げる中道左派の民主党と、緊縮策に反対するベルルスコーニ前首相の自由国民党、モンティ氏を軸とする第三極による三つ巴の争いとなる。

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モンティ氏は国経済界やEUなど国際社会で手腕が高く評価され、続投が待望されているが、増税をはじめとする緊縮策への国内世論の風当たりは厳しく、総選挙での苦戦は必至。世論調査機関テクネが4日発表した支持率調査では、民主党など中道左派勢力が40%、自由国民党など中道右派勢力が25%で、モンティ派は12%にとどまっている。

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政治アナリストらは、総選挙で民主党が第1党となった場合、新首相となる同党のピエルルイジ・ベルサニ書記長は第三極を取り込み、モンティ氏を経済相など重要閣僚に任命するとの観測が浮上している。

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